こんにちは。着物と旅行大好き冬みかんです。
最近、気軽に着物を楽しむ人が増えてきていますが、着物雑誌でもよく「木綿着物」の特集が組まれているのを目にします。
中でも「伊勢木綿」が人気です。
柄もかわいいチェックや縞模様で色もカラフルなものが多いし、値段も正絹の着物に比べると安いため洋服感覚で選ぶことができます。
私もここ数年、木綿着物を買うことが多くなりました。
ただ、木綿の着物って実はなじみがない人が多いのではないでしょうか。
今回はそんなあなたのために、伊勢木綿を含めた木綿の着物について記事を書きました。
具体的には「木綿の着物っていつ着ればいいの?」の疑問に答えたいと思います。
結論から言いますと、木綿の着物は真夏以外いつ着てもOKです。
理由と着るときの注意点についてここから詳しく説明したいと思います。では、どうぞ。
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■目次
木綿着物について

木綿着物の歴史
まず着物の原型といえる小袖は平安時代にできたといわれていますが、木綿着物は江戸時代から着られるようになったそうです。
というのもまだこの時代以前には木綿が日本で栽培されていなかったからです。
木綿が安価で手に入るようになり木綿着物は庶民が着る着物として主流になっていきました。
もちろん今でも木綿着物の反物は生産されています。
代表的なものとしては伊勢木綿、会津木綿、片貝木綿、米沢木綿、遠州綿紬、久留米絣、弓浜絣・・・などなど。
弓浜絣は手織りで手間ひまがかかっているため、正絹の着物よりも高価だったりします。
(とはいえ素材は木綿のためあくまでもカジュアルな装いですが)
木綿着物のTPO
木綿着物はカジュアルな着物のため、かしこまった席ではNGとなります。
洋服で例えるとTシャツとデニム、または綿のワンピースで出かけられる場所ならOKだと思います。
街歩きをしたりカフェでお茶したり・・・普段気軽に出かけるような時に木綿着物を着たいですね。
そして実は私、伊勢木綿を着て歌舞伎座で歌舞伎鑑賞をしたことがあります。
この時は幕見席で鑑賞しましたが、歌舞伎ってもっと気軽に鑑賞していいと思うんです。
目が肥えたマダムに何か言われるんじゃないかと思って内心ビクビクしていましたが(笑)案外大丈夫でした。
またこのことについては記事にしたいと思います。
というわけであまり堅苦しいことは考えず、いろんな場所でどんどん木綿着物を着ましょう。
木綿着物を着る季節について

木綿着物はオールシーズン着ることができます
さて、本題に入ります。
最初に述べた通り木綿着物は真夏以外どの季節に着てもOKです。
最近は5月頃から暑くなってくるため、この時期に木綿着物だと暑いかもしれません。
ちなみに上の写真はゴールデンウィークに遠州木綿の片身替わり(左右色違い)の着物を着た時のものです。
まだ5月の初旬は空気も乾燥していて木陰は涼しいため、木綿着物でもそこまで暑さは感じませんでした。
正絹と違い木綿着物は袷仕立てがなく基本すべて単衣仕立てになります。
そのことが正絹の着物を着るときの知識とごっちゃになる原因だと思います。
木綿の着物も正絹の着物と同じで6月と9月の単衣の季節しか着てはいけないの?と勘違いする人が多いですがこれは間違いです。
私も最初はそう思っていました。
これも今考えると知識が少なかったからだと感じています。
暑くなってきたら無理に木綿の着物を着るのではなく麻や綿麻の着物を着ればいいですし、寒くなってきたら中に着る肌着を冬仕様のものにして防寒すれば、どの季節に木綿の着物を着ても大丈夫です。
木綿着物を着るときの長じゅばんは何を着ればいいのか
これも私が悩んだ事のひとつでした。
正絹の着物だと単衣の着物には単衣仕立ての長じゅばん、袷仕立ての着物には袷(袖無双)の長じゅばんを着ると聞いていました。
木綿着物は基本的に単衣仕立てで裏地を付けません。
なので単衣の長じゅばんしか着てはいけないんじゃなないのかと思っていました。
答えは季節に応じて単衣の長じゅばんや袷(袖無双)の長じゅばんを着ればOKです。
また素材も正絹やシルックなどのポリエステル素材など自分が今持っている長じゅばんを着れば大丈夫です。
綿の長じゅばんも売ってはいますが、滑りが悪く実用的ではないためあまりお勧めしません。
私は春先など少し暖かくなってきて汗をかきそうなときにはシルックの単衣仕立ての長じゅばんを、秋になってきて寒い時には袷(袖無双)の正絹の長じゅばんを着て調節しています。
正絹の長じゅばんは暖かいので寒い時には特にお勧めですよ。
真冬にはさすがに着れない?
いえいえ、真冬でも木綿の着物を着て下さい。
ただし木綿着物は正絹の袷仕立ての着物と比べるとどうしても寒いです。
なのでこのようなインナーを身に着けるなどして工夫すればかなり暖かく快適に過ごすことができますよ。
木綿着物のイメージについて【重要】

木綿着物の情報が少ないのはなぜ?
着物を着始めたばかり、または着付け教室で習い始めたばかりだと着物=絹のイメージで、木綿着物が存在すること自体知らない方が多いのではないでしょうか。
雨の日でも安心して着られるポリエステルの着物の存在は東レのシルックに代表されるようにかなり知れ渡るようになりました。
しかし、木綿着物については私も情報を探すのに苦労しました。
では、なぜこんなにも木綿の着物は広まらないのでしょうか。
着付け教室では木綿着物のことについてほとんど教えてくれないという現実
着付け教室で、まず木綿の着物について教えてくれるところはありません。
なぜかというと全国展開している大手の教室は営利目的のために(高額な)正絹の着物を売りたいからです。
なので教室に通ってくる生徒さんに
「正絹の着物が着物と呼べるのであってポリや木綿の着物を着るなんてもってのほか」
と当たり前のように言ってきます。
あとは先生が木綿の着物に付いて知識がない、というのも現実としてあると思います。
その理由はもともと講師の先生もそこの着付け教室で教わっている人が多く、同じように「着物は正絹のみ」という思考が頭に刷り込まれてる人が多いからです。
私が着付け教室に通っていた時もそう言われたので大げさでなく本当にそう思います。
着付け教室に木綿の着物を着ていくことなんでできませんでした。
「木綿の着物なんて本当の着物じゃない」と言い切る先生がいるからです。
しつこいようですが本当にそういうことを言われるんです。
所詮、営利目的で運営している着付け教室はこんなものです。
本当に着物を楽しみたいという人のやる気を無くそうとしているとしか思えません。
これでは着物文化が廃れていく一方だと思うのですが、悲しいかなこれが現実だと思います。
でもこの記事を読まれたあなたには木綿の着物を堂々と着てほしいと思います。
私も木綿着物をよく着ていますし、それで街を歩いて誰かに文句を言われたことはありません。
むしろ着物を着ているだけで特別な目で見られたりしますよ。
まとめ
いかがでしたか。
最近は着物雑誌でも木綿着物の特集が組まれていたりして、少しずつではありますが木綿着物が知られてきているなと感じています。
私は40代ですがもっと若い子たちにも着物を着てほしいし、興味を持ってもらいたい。
その入り口として木綿着物は最初に手を付けやすい着物だと思います。
皆さんもたくさん着物を着て着物ライフを楽しみましょう。